2025年11月18日(火)、芸術鑑賞会として「狂言」の公演と体験プログラムを行いました。
生徒代表が能舞台に上がり、狂言師の指導のもと伝統的な所作を体験しました。日本の伝統文化を「見る」だけでなく「演じる」ことで、表現の奥深さに触れる機会となりました。
狂言の世界に触れるワークショップ


今年度の芸術鑑賞会は、ウェスタ川越にて三宅狂言会(和泉流)による「狂言」の鑑賞と体験会を行いました。公演の前半は狂言の歴史や特徴についての解説、そして重要無形文化財保持者の三宅右近さんが演じる「棒縛」を鑑賞しました。
そして、後半に「狂言ワークショップ」を実施しました。代表生徒5名(付属中学校3名・高等学校2名)が能舞台に上がり、狂言師の指導を受けながら、
・狂言特有の語りだしの発声
・独特の笑い方や立ち居振る舞い
といった基本動作を実際に体験しました。生徒たちは緊張しながらも、大ホールに溌剌と響き渡る声で、活き活きと演じ、場内を沸かせました。
事前の稽古の成果 ―― 狂言「仁王」に出演


ワークショップのあとには、狂言「仁王」の上演が行われました。この演目には、代表生徒5名が〈参詣人〉役として出演しました。
生徒たちは本番の約2週間前から、校内で狂言師の方と稽古を重ね、当日は実際に装束を身につけて舞台に立ちました。練習の成果を発揮し、堂々とした姿で迫真の演技を披露し、会場からは大きな拍手が送られました。

今回、私は狂言体験として「仁王」に出演する機会をいただきました。
初回の練習では、狂言独特の所作を教えていただきました。私は演劇部に約4年間所属しているため演技には自信があったのですが、実際にやってみると普段の演技とは全く異なる動き方でとても苦戦しました。特に狂言の基本動作である「すり足」は、日常の歩き方とは大きく異なっており慣れるまでに時間がかかりました。また二文字目にアクセントを置き長めの台詞も一息で言う発声法を、演技と同時に行うのも非常に大変でした。
さらに、この演目は各演者(参詣人)がそれぞれの「願い事」を発表する、という内容でした。狂言は喜劇であるため観客の方々に笑っていただきたいと思い、どのような「願い事」にするか相当悩みました。
本番前は「もし笑ってもらえなかったらどうしよう」という不安が拭えませんでしたが、当日は会場内が笑いと拍手で大いに盛り上がってくれたので、とても安心しました。
本番で着た狂言袴などの衣装はとても重く、思うように体を動かせませんでしたが、練習の時よりもはるかに良い所作ができ、達成感を得ることができました。
今回の狂言体験を通して、平安時代から続く伝統を受け継いできた芸能に触れることができ、非常に趣深い気持ちになりました。この貴重な体験は、私の人生にとって、忘れがたいものになりました。


今回の芸術鑑賞会は、単なる鑑賞にとどまらず、生徒自身が舞台に立つことで、日本文化の本質に触れる貴重な学習の場となりました。生徒たちは、表現することの難しさや楽しさを実感し、伝統芸能への理解を深める一日となりました。
過年度の芸術鑑賞会
本校では、毎年学校外の大きな施設で、様々な芸術作品を体験する「芸術鑑賞会」を開催しています。




