【狭山ヶ丘の原石たち #005】「大学準硬式野球で掴んだ夢、西日本選抜として甲子園へ。中西健太さんが見せた『継続する力』」――卒業生インタビュー

「狭山ヶ丘の原石たち」とは

狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校の在校生、卒業生、教職員など、本校でそれぞれの魅力を磨き、活き活きと活躍している「原石」を紹介するシリーズです。

大学準硬式野球の頂点を決める「東西対抗日本一決定戦」。その舞台である甲子園に、西日本選抜の一員として立ち、適時二塁打で勝利に貢献した本校卒業生・中西健太さん。

高校時代は硬式野球部で文武両道を貫き、限られた時間の中で受験勉強にも向き合いました。進学先の京都産業大学では、準硬式野球という新たなフィールドを選択し、学業・部活動・社会経験を高いレベルで両立。学生主体で運営される競技の中で主体性と行動力を磨き、野球人生の夢を甲子園で結実させました。

「置かれた環境で花を咲かす」という言葉を胸に歩んできた軌跡と、後輩たちへのメッセージをお届けします。

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中西 健太さん

京都産業大学現代社会学部健康スポーツ社会学科 4年

本校総合進学コース(Ⅲ類)2021年度卒業(硬式野球部所属)

甲子園の舞台に立って

甲子園での「東西対抗日本一決定戦」優勝、おめでとうございます。聖地・甲子園のグラウンドに立った瞬間、どのようなことを感じましたか。

これまではテレビの中の存在であった舞台に足を踏み入れることができた嬉しさと感動で鳥肌が止まりませんでした。

試合では見事に適時二塁打を放ち、勝利に大きく貢献されました。あの打席はどのような思いで入ったのでしょうか。

対戦相手の投手がMax152キロを投げる最注目投手であったため、「この投手から打てば球場の注目を集めることができる!」というワクワクと興奮した気持ちでバッターボックスに入りました。

試合終了の瞬間の心境を教えてください。

夢のような時間はあっという間だったなと感じました。無我夢中で試合をしていて、気づけば試合が終わっていた寂しさと共に、長年の夢を叶えることができた喜びがあり、これまでの15年間の野球人生を頑張ってきた自分を初めて誇らしく思いました。

文武両道で乗り越えた受験期

受験期のエピソードや、後輩へのアドバイスをお願いします。

私は硬式野球部に所属をしており勉強に使える時間が限られていたため、隙間時間に勉強することを心がけていました。

通学の電車の中では英語や古典の単語帳を開いて勉強し、駅から家までの徒歩の時間はイヤホンで英語を聞きリスニング対策をしていました。引退してからは放課後に毎日図書館を利用し、実践問題を繰り返し解きながら知識を定着させることに努めました。

受験はやはり模試とは比べ物にならない緊張感であり、一発勝負のプレッシャーを非常に感じました。常に模試の段階から本番と同じような緊張感で望み、その中で焦らずに解ける問題を確実に解く力を養うことが大切だと肌で感じました。
進学の決め手は、その大学でなりたい自分になれるかどうかということを考えて決めました。

準硬式野球という選択

京都産業大学へ進学し、準硬式野球を続けようと決めた理由を教えてください。

私は現役での国立大学合格を目指していた中で、その滑り止めとして公募推薦で京都産業大学を受験し、縁があって進学することになりました。高校野球が不完全燃焼で終わってしまったため、このまま野球から離れることができず大学でも野球を続けることを決意しました。

大学の4年間を想像したときに、硬式野球部よりも活動時間の短い準硬式野球部に入部することでアルバイトや校外の活動にも時間を割くことができ、充実した4年間になると思い入部を決意しました。

西日本選抜に選ばれた経緯について教えてください。

西日本選抜は、野球の技術や実績はもちろんのこと大学の学業成績が優秀な学生が選ばれます。自己推薦書や他己推薦書、学業成績証明書など複数の書類を提出し、これまでの野球実績が加味されて厳しい審査を突破した25人が選出されます。野球の実績と学業成績の両方が求められる、まさに文武両道を体現しているチームです。

準硬式野球の魅力を教えてください。

準硬式野球は硬式と軟式の良いところを組み合わせたハイブリッドな競技です。最大の魅力は学生主体で運営される点です。練習や試合の采配、部活動の運営などすべてを学生が行います。さまざまなバックグラウンドを持つ選手が集まり、その人の野球人生の可能性を広げることができる競技だと思います。

コラム 甲子園へのもう一つの道――「準硬式野球」という選択

競技人口は全国で約1万人。活動の中心は日本国内に限られています。

今回、中西さんが活躍した舞台は「準硬式野球」の世界です。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、大学野球界では硬式野球と並び、競技人口の約半数を占める大きなカテゴリーの一つとなっています。

使用されるボールは「H号球」。内部は硬式球と同じくコルクと樹脂で構成され、外側をゴムで覆った構造です。これにより、硬式野球のダイナミックな打球感やスピード感を保ちながら、衝撃を和らげ、怪我のリスクを抑えることができます。

さらに、準硬式野球の大きな特徴は「学生主体」である点です。リーグ戦の運営や広報活動などを学生自身が担うことも多く、競技力の向上だけでなく、組織運営やリーダーシップを実践的に学ぶ場にもなっています。

高校野球を終えた後の「次のステージ」として――
野球を続けながら、自分自身の可能性を広げるフィールド。
準硬式野球は今、静かに、そして確実に注目を集めています。

■全日本大学準硬式野球連盟
https://junkoh.jp/

■京都産業大学準硬式野球部
https://www.kyoto-su.ac.jp/wr-campuslife/club/intro/0044.html

狭山ヶ丘高校で培った力

高校生活で今につながっている経験を教えてください。

硬式野球部の活動に全力を注ぎながら国立大学合格を目指して文武両道を貫いた経験です。時間の使い方の大切さを学び、目標に向けて努力を続ける継続力を養いました。

支えになった言葉はありますか。

「置かれた環境で花を咲かす」です。コース変更で苦しい時期もありましたが、その環境で最善を尽くすことを考えて行動していました。担任の先生との面談も大きな支えになりました。

未来へのメッセージ

卒業後の進路を教えてください。

自動車系の商社の営業マンとして働きます。準硬式野球部で培った主体性と行動力を武器に頑張っていきます。

在校生へメッセージをお願いします。

狭山ヶ丘高校での三年間の学びは必ず人生の力になります。高い目標に向けて努力を重ね、自分自身を信じて頑張ってください。大学では自由な時間が多いからこそ目標を持ち、さまざまなことに挑戦して充実した4年間を過ごしてください。