【狭山ヶ丘の原石たち #004】「次は同じ制服で」――ANA客室乗務員として羽ばたく卒業生インタビュー

「狭山ヶ丘の原石たち」とは

狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校の在校生、卒業生、教職員など、本校でそれぞれの魅力を磨き、活き活きと活躍している「原石」を紹介するシリーズです。

本校の総合進学コース(Ⅲ類)に在籍しながら、学業と創作ダンス部での活動を両立して2020年度に卒業し、現在は全日本空輸株式会社(ANA)の客室乗務員(CA)として国内外のフライトに乗務している寺岡さん。来年度には、客室の責任者である主客室乗務員の資格取得も目指し、さらに将来的には新入CAの育成を担う教官になることも視野に入れて活躍されています。

本校在学時の経験や大学での学びが、現在の仕事にどのような形で結びついているのかを伺いました。また、社会で活躍している立場から、いま将来を考えている皆さんへのメッセージもいただきました。

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寺岡 歩美さん

全日本空輸株式会社 客室センター客室乗務三部 客室乗務員

本校総合進学コース(Ⅲ類)2020年度卒業(創作ダンス部所属)
文教学院大学国際教養学部英語コミュニケーション学科卒業

現在のお仕事について教えてください。

ANAで、客室乗務員(CA)として国内線・国際線どちらも乗務しています。お客様を安全に目的地までお連れするための
保安業務、お飲み物やお食事を提供するサービス業務に加え、国際線では免税品販売業務もおこなっています。

この職業の魅力は、なんといっても世界中からご利用いただいているお客様と交流ができたり、日本各地や世界各国を訪れ様々な地域や国の文化に触れることができることです。

今までのフライトでは、アメリカやフランス、ドイツ、インドなど12カ国を訪れました。中でもオーストリアのウィーンは一番のお気に入りの街です。音楽の街としても有名なウィーンですが、街のあちこちで聞こえる楽器演奏や、息を呑むほど素敵で可愛い街並みやクリスマスマーケットなど、すごく魅力的で素敵でした。私のまた訪れたい街第1位でもあります。

今後は、昨年度のANAの新規就航地であるイタリアのミラノやトルコのイスタンブール、スウェーデンのストックホルムも訪れてみたいです。

ANAのCAを志望されたきっかけを教えてください。

温かな親近感がありお客様へワクワクを届けるANAのCAが大好きで、私もそんなCAになりたいと思ったからです。

CAを目指して就職活動を進めているときに、ANAでCAが、今どのように活躍しているかをもっと知りたいと思い、伊丹へのフライトでANAを利用しました。

私の目があまりにもキラキラしていたのか、CAの方が声をかけてくださり、その際にCAを目指していることをお伝えしました。そのCAの方が降機時に「次にお会いするときは同じ制服でお会いしましょう」と、直筆のメッセージカードをくださいました。こうした温かく親しみやすいANAの雰囲気に惹かれ、「私もこんなCAになりたい」と強く思ったことがきっかけです。

本校での経験で現在に活きているものは、なんでしょうか?

高校生活で、朝ゼミや毎日の自習などコツコツと勉学に励むことをルーティン化できたことです。このルーティンのおかげで大学生活や社会人になってからの勉強も苦に感じずに行うことができました。

創作ダンス部で、先輩・同期・後輩と大人数で一つの目標に向かって練習に励み、切磋琢磨し合える活動を行ってきたことも、今の仕事に活きていると思います。

現在の仕事では、フライトごとにクルーが変わるため、毎日新しいメンバーと働いています。安全かつお客様に快適に感じていただけるフライトをつくるために、初対面のクルーとどう関わり、協力していくかを考え、高校時代に培った相手に合わせたアプローチで、チームワーク良く楽しくフライトに臨めています。

大学時代に学んだこと、大学選びについて教えてください。

大学では外国語学部に所属し、主にアメリカの文化について学んでいました。例えばアメリカに映画製作スタジオを持つディズニー映画から読み取るアメリカ文化など、作品を楽しみながら研究を行なっておりました。

また、週に3~4回英語での文法や発音、コミュニケーションの授業を受講したり、他にもドイツ語や中国語、スペイン語を学んだりしていました。

学部選びには、高校時代に経験したハワイへの修学旅行が大きく影響を与えていると思います。修学旅行のプログラムの中に、母国語を英語とする外国人留学生と交流する機会がありました。当時は英語を使っての会話を行うことに慣れておらず、なかなか自分の思っていることをうまく伝えることができず、とても後悔していました。

この修学旅行がきっかけで、高校3年生の頃から特に英語のスキル向上に専念し、英検の面接練習を通して英語で会話をすることに少しずつ慣れ、大学では英語を用いて学べる学部に所属し専念することができました。

とりわけ高校・大学時代、そして社会人になるまでの間、成長を実感されたのは、どのような瞬間ですか。

高校・大学時代を経て、周囲を巻き込んで困難を楽しみながら乗り越えられるようになりました。

高校時代には大学受験期、大学時代には就職活動準備期が人生で一番辛い日々でした。どちらの時期も最初の頃は、自分自身の将来のために「受験も就活も個人戦。自分1人で頑張らなきゃ」と思い込んでいました。

高校時代は、特に周囲と自分を比較してしまっていたからこそ、朝から晩まで1人で自習をするなど完全に孤独な日々を送り続け、ギリギリ大学受験を終えました。

大学生になり就職活動を考え始める頃に、「またあの大学受験期のような辛い日々が来るんだ」と、トラウマのように思われました。しかし、同じ大学の友人から将来について相談を受けたときに、皆同じように悩んでいたんだという安心感で肩の荷がスッと消えました。ここから、悩んだ時には周囲に相談し、自分も友人の悩みを聞いてお互いに励まし合えるようになりました。

実際に就職活動が始まった時には、友人たちと面接官役を担当し合って面接練習を行い、アドバイスをし合うなど、お互いを助け合い楽しみながら全員で就職活動を乗り越えることができました。

高校時代に戻れるなら、自分に「もっと周りに頼って良いんだよ」ってアドバイスしてあげたいです

ANAの魅力を教えてください。

一言でいうと、弊社のグループ行動指針の中にある「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現している社員が多くいることです

CAは、お客様との会話を楽しむ方々が多いため、多くのお客様からANAのCAは親近感があるとお声をいただいています。

また、CAとして働いている上で、機長や整備士、地上係員、搭載係員、清掃係員など毎日多くの部署のメンバーと関わる機会があります。それぞれの部署のスタッフも「お疲れ様です!」「いってらっしゃいお気をつけて!」「今日も安全運航でいこうね!」などと明るく声をかけてくれます。

このように、部署を越えてもあたたかな繋がりがあり、お互いに応援し合えるANAの雰囲気は、お客様にもあたたかさや親近感として伝わっていく素敵な魅力だと思います

勤務中、大切にしていること・心がけていること、を教えてください。

フライトを楽しむことを大切にしており、お客様もクルーもフライトを楽しめる環境づくりを心がけております

この仕事は毎日のフライトにおいて、一緒に働くCAのメンバーが異なるため、毎日新しいメンバーで協力して安全運航を第一とした快適なフライト作りに努める必要があります。そのためにもCAがお互いに話しやすく情報共有をしやすい環境を作ることが必要不可欠となります。

それはお客様にも通ずることであり、お客様にとって話しかけやすいCAであることによって、お客様のご要望にすぐにご対応でき、お客様に快適な時間を過ごしていただけます。

お客様からもクルーからも話しかけやすいCAであるためには、私は常に笑顔でいること、ご挨拶とプラスにひとことお声をかけることの2点を大切にして、相手との会話を広げています

この2点を心がけていることで、先輩後輩関係なく多くのCAからも「今日のフライト楽しかったね」と言ってもらえたり、お客様からも「今日のCAさんたちすごく仲良さそうでいい雰囲気だったよ」とお声をかけていただくこともあります。

現在のお仕事で「やりがい」を感じる瞬間は、どんなときでしょうか。

多くのお客様が笑顔で降機され、クルー全員が笑顔でフライトを終えられたときです。

以前一緒にフライトした先輩が、「お客様にこのフライトを楽しんでもらうには、CAがまずは楽しもうね」と話してくれたことがずっと心に残っており、私も日々そう心がけながら乗務に臨んでいます。

だからこそ、お互いに助け合いながら仕事を楽しめている自分や周りのクルーを見ると嬉しいですし、その楽しさが伝播してお客様もニコニコと「ありがとう」とおっしゃって降機されていくことに喜びを感じます。

今後の目標や、挑戦したいことを教えてください。

来年度には、客室の責任者である主客室乗務員の資格を取得するため、安全を第一に考えながらクルーもお客様も楽しいフライトを沢山つくっていきたいと思います。お客様からは「ANAを選んでよかった、今後もANAを利用したい」と感じていただけるように、CAからは「ANAのCAでよかった、またこのCP(CP:主客室乗務員)と一緒にフライトしたい」と感じてもらえる主客室乗務員を目指します

また、将来挑戦したいことは、OJTインストラクター(運航している航空機での訓練を担当する教官)になり、新入CAの育成に携わってみたいと思っています。

空港や機内で心に残ったエピソードを教えてください。

インドから羽田空港に向かうフライトでお会いした、インド出身の中学生達との交流です。

中学生の団体を引き連れていた女性の先生に「ご旅行ですか?」と尋ねたところ、彼らは現地のスクールで日本語や日本文化を学んでいて、今回が念願の日本旅行だとおっしゃっていました。授業のプログラムの一環として、日本列島を周り日本文化に触れるとのことでした。

ご搭乗された際にも彼らは私たちに「こんにちは」とご挨拶をしてくださり、真摯でとても日本が好きなんだろうなと感じる方々でした。

彼らにとって少しでも思い出に残る旅の始まりのフライトと感じてもらうには……と考え、キャンディーを入れた小袋に、挨拶などの日本語の簡単なフレーズを書いたメッセージカードを入れてお渡しすることを提案し、作成しました

受け取った時に彼らは、満面の笑みで「ありがとう」とおっしゃってくださり、飛行機を降りる際にも「またね」と元気に声をかけてくださいました。学生の方々が喜んでくれたことが私にとっても嬉しくて、彼らの笑顔はずっと心に残っております

在校生へのメッセージをお願いします。

「周囲を頼る」ことは絶対に大切にしてほしいです。進路に向けての準備や普段の生活の中での悩みを、どうしても自身の問題と考えて自分だけで抱え込んでしまうと思います。周囲を頼り相談するのも、なかなか勇気のいることだとは思いますが、まずは家族でも良いですし、一番話しやすい人に相談してみましょう。

進路選択へ向けての心構えは特にありません! 今は自分がやりたいこと、好きなことをとことん全力で一生懸命やってください。

社会人になるとやりたいことがあってもなかなか時間がとれず、「学生時代にやりたいことをもっとやっておけば良かった」と後悔します。私も学生時代に自分の好きなことを学び、好きなことに一生懸命になれたので今のCA人生があります。自分の将来の道に迷っているのなら、まずは自分の好きなことをとことん貫いてください。何かを一生懸命に継続して行うことが、自分の将来を見つける近道になります。それでも悩んだ時にはどうか周囲の先生や友人、家族に相談してみてください。一生懸命に取り組んでいる人には自ずと周囲も手を差し伸べてくれます。

皆さんの素敵な将来を応援しています!!

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