令和3年度入学式を挙行しました

4月7日(水)、新型コロナウイルス感染症対策のため規模を縮小しつつも、厳粛のうちに盛大に令和3年度入学式を執り行いました。

学校長式辞

理事長・校長 小川義男

「武漢発コロナウイルス」が猖獗を極める中で、ご来賓のご招待も大幅にご辞退申し上げ、保護者の皆様のご参加も、人数を限定させて頂いて、入学式を行わねばならぬ事態になりました。まことに残念ですが、最近、コロナが新しい変異を見せる中では、まことに止むを得ぬ仕儀であると思います。

 大東亜戦争が終結して75年になりますが、幸いに、この期間、世界は全面戦争に立ち至ることなく今日を迎えました。局地紛争、宗教による内戦は別として、世界的大戦争を避けられたのは、まことに以て幸せなことであったと思います。

しかし世界は、この後も、細菌戦、情報戦等の災厄に、悩まされる危険なしとしません。今回のコロナウイルスが、そのような謀略戦の萌芽でなければ幸いです。

他国に比し、日本が、目下、損害の急拡大を防げているのは、特に医療関係の方々の質的高さ、死をも恐れぬ犠牲的精神のおかげであると私は思います。さらに日本国民全体の知的水準の高さ、衛生観念、互いに助け合う心が、この災厄の中でも、被害を最小限度に食い止めているのだと思います。

高等部・中等部双方の入学生諸君に、強く自覚していただきたいことがあります。それは、人間には、生まれついての能力差はないということです。本校の生徒は、資質的に高く、人間としても高潔であります。しかし、どうも大志に欠ける一面があるのではないかと私は憂慮致します。

本校にはⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ類と、それぞれの学習集団があります。Ⅳ類には、サッカーと野球に重点を置く生徒が入学して来ております。女子バレーボール部は、このⅣ類に参加しておりませんが、県内ハイランクの実力を誇っております。私は、彼女らが、実力を誇る埼玉県全体を制覇する日を楽しみにしております。

野球部は、昨年度、強豪校うち揃う埼玉県を制覇致しました。コロナのため甲子園大会は行われませんでしたが、本校50年の歴史に輝かしき光彩を放つものであると思います。

サッカー、女子バレーボールが全県を制覇するのも目前であると、私は確信致します。

この強豪三部に限らず、本校における部活動は極めて活発であり、茶道部はすぐれた指導者を擁し、輝かしい文化活動全体を象徴しております。書道部には伝統文化に燃える若人が結集しており、近く部室そのものの和室化、平たく言えば、畳の部屋に変えることも実現できる予定です。吹奏楽部の演奏力は県内随一と、私は確信しております。

部活動は、我が国高等学校に必須のものであり、私は、それぞれの活躍、努力に大きな期待を寄せておりますが、同時に本校が進学校であることも、強く心にとめていただきたいと思います。

本校には、数多くの大学進学指定枠がありますが、諸君がどの大学に進学するかは、諸君の人生に極めて大きな影響を及ぼします。その意味で私は、指定校以外に、一般受験のための努力も大切にしていただきたいと思います。

Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類は、大学進学に力点を置くコースであります。指定校という安易なコースを初めから目指すのではなく、一般受験こそ大学進学の王道であることを自覚し、常に大きな志を失うことなく前進し続けて下さい。

人間に、生まれついての能力差はありません。自己の可能性を固く信じ、スポーツ、文化、学習の面で、諸君がそれぞれの持つ無限の可能性を開花させて下さることを、心から希望します。

札幌農学校は、東京帝国大学より先に設立された大学だと聞きます。明治黎明の頃、学園の基礎を方向付けたクラーク先生は、苫小牧経由でアメリカへ帰国すべく、馬を走らせました。それはまさに生涯の別れでありました。学生たちも馬で見送ったのですが、島松で茶店に寄り、いよいよ最後の別れとなりました。馬上の人となったクラーク先生は、ひと鞭当てて、何かを叫びました。それがBe ambitious, boys !だったらしいのです。その意味は、「若者よ、小成に安んずるな」と訳すのが正しいと聞きます

本校はこれを、「遠くまで行こう」と言い換えています。諸君の入学するコースが何であれ、「小成に安んじない」「遠くまで行くんだ」との決意の下、辛苦の思索、辛苦の努力を失わず、精進を続けて下さい。

諸君の存在は、ご両親の御存在あって初めてのものであります。ご両親がなければ、諸君は、世の中に存在せず、ご両親の慈愛に基づく育成なければ、今日、中学校や高等学校に入学するに至り得なかったものです。まさに親の恩は、「海より深く、山よりも高い」のであります。

本日の諸君の勇姿を、誰よりも見守り、祝福したいのがご両親であります。事情によっては、お二人揃っていない場合もあるかも知れませんが、その場合、親の恩、ありがたさは、一層深いものと自覚して下さい。

近年、親の老後を施設に委ねる傾向が増えておりますが、まことに、まことに残念なことであります。

諸君が教育を受けるのは、何よりも諸君自身のためでありますが、同時にそれは、国家社会と親の為であることを、本日ここに、深く自覚して下さい。

本日は、このような事情で、市長様をはじめ、多くの皆様のご列席を頂くことができません。しかし、これらの皆様が、入学生全体の未来を、心から願って下さっていることを諸君は忘れてはなりません。

私たち教師は、いかなる環境にあっても、生徒の明日のため、全力を尽くします。しかし、学校にも落ち度があり、ご迷惑をおかけすることもないとは言えません。そのようなときは、どうか、日頃の努力に免じてご寛恕下さいますようお願い申し上げます。

また、このような時代であればこそPTAは、一層、その重要性を増します。PTA役員の選出もお願いしなくてはなりませんが、何とぞご協力賜りますよう、お願い申し上げます。

昨年来のコロナ騒ぎで、入学式翌日から学校が休みであるなど、私の人生にも経験しなかったことであり、諸君の人生にも、重ねてはないことであると思います。しかし諸君、嵐にめげることなく、しっかりと戦っていきましょう。

私も若い翼に未来を託して、教職員全体と共に頑張って参ります。

PTA会長祝辞

PTA会長 上柿知央

桜の花も盛りを過ぎて、木々にもちらほらと緑の葉が目立つようになりました。

このよき日に、狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校に晴れて入学されました新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

また、今日の日を待ち望んでいらっしゃった保護者の皆様、お子様のご入学に際し、心よりお祝いを申し上げます。新型コロナウイルス感染症がいまだ猛威を振るう中ではありますが、真新しい制服に身を包み、本学園で第一歩を力強く踏み出すお子様の姿に、喜びもひとしおのことと拝察いたします。PTAを代表して、皆様を心から歓迎し、入学のお祝いを申し上げます。

新入生の皆さんにとって、狭山ヶ丘学園の生徒としての希望に満ちた学園生活が本日より始まります。これからの日々にどのような思いを巡らせているでしょうか。新たな環境を前にして、多くの不安や緊張があるかもしれません。

学園生活では、楽しいことだけではなく、辛いことや苦しいこともあるでしょう。しかし、皆さんは本学園の入学者選抜を経て選ばれた方々です。本学園への進学を決意したときの気持ちを忘れずに、勇気を持って自分を励ましながら、様々な困難を乗り越えて欲しいと思います。

寂しい気持ちになり、孤独感に押しつぶされそうになったときには、ご家族や先生方、そして同級生に相談する勇気を持って下さい。必ずや皆さんの力になってくれるはずです。

さて、皆さんが入学した狭山ヶ丘学園は、県内有数の進学校として、そして部活動においても輝かしい成績をおさめております。

本学園では「事に当たって意義を観ぜよ」の校訓に基づき、創立以来、心の教育「内観」を重視し、その内観の精神を発展させた「自己観察教育」がおこなわれています。 黙想、茶道、対話を通して、皆さんの人間性はさらに豊かになることでしょう。

学習面においては、対面授業やICTを活用した授業を通じて、小川校長先生をはじめ、諸先生方の情熱にあふれるご指導により、高い知識と教養を習得されることと思います。

さらに全館エアコン完備の清潔かつ快適な校舎は、皆さんの学園生活を充実させてくれるはずです。自学自習に理想的な特別自習室、400人の収容が可能な階段教室、外から明るい日が差し込む開放的な生徒ホール、25,000冊以上の蔵書を誇る図書館、40台以上のパソコンが設置された情報室など、皆さんの将来の夢を叶える環境が、本学園には整っています。

この恵まれた環境を活かして、皆さんが持っている能力や才能を大きく開花させ、入学に際し抱いた夢や希望を実現させてほしいと願っております。

部活動においては、同好会・愛好会を含めて38の部があり、中でも強化部の野球部、吹奏楽部、女子バレーボール部は、県内屈指のレベルにあります。

学習にも運動にも恵まれた環境で、学習や行事、部活動などの様々な経験を積み、皆さんはたくましく成長することでしょう。

本学園で修学する意義を感じ、本学生徒としての誇りを持ち、未来に向かって大きく羽ばたいて下さい。

皆さんの前には、無限の可能性に満ちた未来が広がっています。

これまでも、これからも、いつも変わらず皆さんを見守り続けている保護者の皆様への感謝の気持ちを決して忘れず、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。一日をいかに充実させるかは、皆さんの意識にかかっています。ひとつひとつの行動を意識して過ごしてください。

保護者の皆様にとって、お子様が本学園に通う3年間は驚くほど短く、あっという間に過ぎ去ってしまうことでしょう。

お子様が大きく成長するこの時期は、思春期と重なり、大変難しい時期と言えます。勉強や部活動に勤しみ多忙を極めるお子様とは、日々の会話も少なくなりがちです。

保護者会や行事の時にいらっしゃるだけでは、お子様が通う学校のことがよくわからないまま終わってしまうかもしれません。

受験期のみならず、情報交換は大変貴重なものです。PTAにも積極的にご参加いただき、保護者同士、また先生方との連携を図ることで、ご家庭と学校とが車の両輪となり、お子様の成長を応援していくことが大切だと思っています。

本学園PTAでは、広報誌「肩車」の作成をはじめ、講演会や日帰り研修旅行の企画や狭丘祭での模擬店の出店など、様々な活動をおこなっております。

PTA活動を通じて、お子様の明るく伸び伸びと過ごす学園生活や、礼節を重んじる 学園の素晴らしい生徒指導に触れていただければ幸いです。

PTA理事一同、子ども達がより良い学園生活を送れるよう、活動を推進しておりますので、何卒ご理解とご協力の程よろしくお願い申し上げます。

改めて、新入生のご入学に心よりお祝いを申し上げると共に、充実した学園生活と、健やかな成長をお祈り申し上げます。

結びにあたり、ご列席の皆様の益々のご健勝と、狭山ヶ丘学園の更なる発展を祈念し、お祝いの言葉とさせていただきます。

本日は本当におめでとうございます。