教育方針

本校は付属中学校の3年間、高等学校の3年間、計6年間での指導により、生徒の進路を実現できるように指導しています。しかし小学生から中学生になり、突然「進路」と言われてもなかなか想像しにくいものでしょう。さらには大学といっても具体的なイメージは沸き難く、かつ、わからないことも多いでしょう。また将来の目標と言われても、幼稚園や小学校のときのような夢も描きにくい状況になっているかもしれません。実際、生徒に聞いてみると、まだ何も決まっていないという答えが多く見受けられます。そのため付属中学校では、まずは「具体化」「自己分析」「思考力、発想力の向上」といったことをキーワードに生徒の進路指導をしています。

「具体化」する対象は「大学のイメージ」や「将来像」です。本校の生徒には、中学校1年生からキャンパス見学や文化祭に参加することを推奨しています。もちろんインターネットやパンフレットで情報を得ることはできます。しかし、実際にキャンパス内に足を踏み入れ、大学の先生や学生の方と話すことで得るものが多くあると考えます。年度によって訪れる大学は異なりますが、2019年度は、東京大学と東京都立大学を訪れました。東京大学では、本校の卒業生にキャンパス内を案内してもらい、話す機会をもらいました。東京都立大学では教授や大学院生と話す機会をいただき、中学生の今だからできること、やっておいた方がよいことを伺いました。このように大学のキャンパスに直接足を踏み入れ、教授や学生の生の声を聞く、といった具体的な体験を増やすことで、生徒たちは大学に対して想像を具体的に膨らませることができるようになります。また、そのことで大学に限らず自身の将来像にも想像を働かせることができるようになると考えています。

また、具体化するのは「自己」についても同様です。自分自身のことは他者のことに比べると考える機会が少なく、漠然とした認識しかないこともあります。そこで、「総合的な学習の時間」を活用して「自己分析」の機会を作り、考える術(すべ)を身に付けさせています。自分のことは考える機会がないと具体化しにくいものです。自己に対する漠然とした認識を有していたとしても、それだけでは活用することはできません。しかし、考える手段を獲得することで「自己分析」ができ、漠然とした自己への認識から具体的な側面が浮き彫りになるのです。そのために「思考力、発想力の向上」を目指しています。ここで付属中学校が行っているワークショップのいくつかを紹介します。一つはマインドマップの作成です。話題の中心となるテーマから連想するものをどんどん書き連ねていくものです。このことによって、頭の中で点在し、漠然としていた認識が一つの可視化された情報に転ずるので、完成したマインドマップを俯瞰すると自身の認識を理解することができ、さらなる思考、発想につながっていきます。もう一つはブレインストーミングです。本校では付箋を使用して生徒に様々な情報を整理させています。テーマごとのグループを作り、関係性を可視化します。整理され、関係性が示された情報を俯瞰することで、さらなる思考、発想につながります。このような手段を知ることで、自分自身について考えるのは当然のことながら、他者や社会、その他の事象などに敷衍することもできるようになり、深い分析力へと接続すると考えています。

以上のように、本校では、生徒が自身の将来に対して考える機会と手段を提供することを心がけています。それは、具体的な目標というものが学習への活力になると考えているからです。この多感な中学生という年代では学習する意味、目的を失ってしまいがちです。「将来のため」ということは頭ではわかっていても、そこに具体的な将来像がなければ、活力にはなりません。多くの情報が流布する現在において必要な情報を整理し、分析する力を本校では育んでいます。

最難関国公立大学現役合格を実現する6年間の教育体制

じっくり、確実に進路実現!

東京大学をはじめとする難関国公立大学への進路実現を可能にします。進路を実現させるための学習指導として、「自学自習」の姿勢を身につけさせ、早期から大学受験を意識した無理のない先取り授業を展開します。また、朝ゼミ、長期休業中のゼミを多数開講しています。さらに、最終下校時刻まで中学生専用自習室を開室しており、静かな環境で集中して学習することができます。

6年間の指導方針

各学年を「点」としてとらえるのではなく、6年間を「線」としてとらえることで、将来を見据えたうえでの「今」を考える指導をしています。

基礎力充実期~中1・中2~

  • 朝ゼミや小テストを定期的に実施することにより、生徒が計画的に学習できる環境を用意し、学習習慣の定着を図っています。
  • 特に英語、数学、国語、理科、社会の授業時間数を標準時間数より多く配分し、実力を養成します。
  • 中学生専用の自習室を活用することにより、生徒に自ら学ぶ習慣を育みます。

学力錬成期~中3・高1~

  • 豊富な授業時数のもと、無理のない先取り学習で真の学力を養成します。
  • 定期テストの他に校内実力テスト等により、各自の学習に対する長期的な目標を持たせ、「Plan Do Check Action」のPDCAサイクルを実践することで目標実現に向けた計画性を育みます。
  • 互いに切磋琢磨することにより緊張感を持って学習に取り組むことができます。

進路実現期~高2・高3~

  • 高2より各自の進路希望によって、文系、理系に分かれます。
  • ガイダンスや面談などを通じて、目標を下げることなく最後まで第一志望を貫き通すよう指導します。
  • 受験までの最後の1年間は、演習中心の授業を展開し、実践力を養います。

研究レポートの執筆・ポスターセッション

2年生の3学期からは3年生での発表に向け、「総合的な学習の時間」で研究レポートの執筆を行います。論文執筆の基本的な知識や技術を習得しながら、生徒一人一人が自身の興味のあるテーマについて探究していきます。さらに3年生は他の生徒にポスターを用いたプレゼンテーション(ポスターセッション)で自身の研究成果を発表しています。この活動では、ICTを積極的に活用しています。